家具・インテリアNEWS

Milano Design Week 2018②

全体の傾向

毎年数十万人規模の展示会が行われるMilano Design Weekですが、今年も順調に集客数を増やしていたそうです。目立った動きとしては、中国系の視察とバイヤーが一気に増えたことです。今までも中国系のバイヤーを見かけることは珍しくなかったのですが、今年はバスをチャーターして展示会場を回ったり、本会場でも数多くのバイヤーを見かけました。イタリアの家具メーカーの中にも中国での人気から出展スタンドの規模が年々拡大しているメーカーもあります。

また、展示側としては建材関連のメーカーが減り、代わりにIT系や服飾関連のメーカーの出展が増えてきました。これらの異業種は受注や新作発表の場としてMilano Design Weekを活用するのではなく、企業のPRの場としてインスタレーションを行う傾向があります。そして日本系の展示としては大きな企業が減り比較的小さな企業や複数の企業のグループ出展が増えました。今までは1回のみの出展で終わっていた日本企業ですが、近年は複数年を目標に出展しているケースが増えています。これとは別にアジア系の企業の出展もゆっくりとではありますが、増えつつある傾向です。

少し前までは家具と建材関連のみの展示会だったものが、ITやファッション系の参入でターゲット層が広がり、様々なメディアの取材も増えてきています。日本国内でも業界新聞や専門誌のみならずTVや大手新聞社からの取材も増えてきています。それだけMilano Design Weekが日本でも注目されるイベントとして認知され始めている証拠だと思います。

近年の大きな動きとしては、ここ数年で人気エリアと成長したLambrate地域からVentura社という有力オーガナイザーミラノ中央駅近辺に移動しました事が挙げられます。その影響は大きく、今年のLambrate地域は近年と比較してかなり閑散とした状況だった様です。上記の地域以外にも、開発された新しい地域が増え始めIsola地区や5vie地区など2〜3年前には全く注目されなかった地域にも出展企業が増えており、ミラノ市全体でイベントが行われているイメージが定着し始めました。Milano Design Weekがミラノ市に及ぼす影響は大きく、この時期のホテル等の宿泊料金は通常期の2~3倍くらいの価格になり年々上昇する気配を感じます。